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須田 葉月

ス●ーバ●ク●コーヒー店員 コーヒーは苦い、でも旨い。 子供の頃は、全然美味しいと思わなかったけど、高校受験をさかいに飲めるようになっていた。 一口飲むたびに目と頭が冴えてくような気がする。 大人になってから激務を目の前にした時、コーヒーを啜らないと落ち着かなくなっていた。 最近気づいたが食費より、コーヒー代の出費の方が多い気がする。 朝、昼、晩、必ず何かしら購入する。 コーヒーというよりス●バによらないと落ち着かない、カップを握る丸みを感じないと不安になる、ほぼ中毒症状。 そんなこよなく愛するス●バで最近面白い企画があった 「47 JIMOTO フラペチーノ」 地域の名産を使用したフラペチーノが各47都道府県、地域限定の味で購入できるという企画。 東京なら「コーヒー」 大阪なら「ミックスジュース」 北海道なら「とうきび」 かくいう私の地元千葉は「みたらしコーヒー味」飲んだが味は悪くない、リピートしたい。 しかし、この企画の面白いところは47個の様々なフレーバーがまことしやかに存在するという事実。 商品画像を見て味を想像する。 有名チェーン店の「地域限定」この言葉に弱い。 幸い私の住んでるところは千葉県流●市で、車で少しドライブすれば東京、埼玉はゆうに包囲網。 職場も千葉と茨城との県境にあり、1店舗隣のスタバは茨城店、全然通勤圏内だ。 東京、埼玉は休日を利用して回った。 出勤前、少し遠回りをして茨城のス●バへ、いつもと違う店内へ入るのはそこはかとなくワクワクするものだ。 注文して商品を待ってると、店員さんは無言の僕に声をかけてくれた。 「もうこのお味飲まれましたか?」 「いえ、今日が初めてなんです。」 「他の地域のは飲まれましたか?」 「は、はい」 近すぎず、重くもないフランクな接客対応。 緑色のエプロンと、後ろ手に1本で縛ったポニーテール。 清楚でさっぱりとした佇まいが印象的。 きっと期間限定の接客、それでも良い、素直にまた来たいと思えた。 その日から朝に行くス●バを変えた。 毎朝商品を待ってる間、例の店員さん、対応してくれと心で祈るようになっていた。 いつの日か僕から声をかけれるようになっていた。 いつも笑顔でさっぱりとした対応をしてくれる、ス●バさん。 でもそれ以上接客態度が変ることがなかった。 次第に綺麗な定型文の接客用語が並びだしたのに気がついた。 その人から遠ざかろうと思ったが、そのお店に行かないと落ち着かない体になってた。 こうなったのはカフェインたっぷりのブラックコーヒーのせいだと思う。 みんな好きでしょ、ス●バ。 無条件でス●バ行くよね? 俺の目的は商品を買うことなのか? これってストーカーなのか? あくる日、正常な思考かも分からぬまま、気がついたら傍にス●バさんが寝てた。
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